理事長所信
一般社団法人枚方青年会議所
2024年度 理事長所信

第64代理事長
木﨑 大介
【はじめに】
私は2018年に枚方JCへ入会し、短い期間の中ではありますが要職を経験する機会をいただいたことで、自己成長をすることができたと実感しております。17歳から内装職の世界へと入り、4人の子をもつ親となりましたが、JCを通して今までの人生には無かった経験や考え方を学ぶことで、改めて将来の子どもたちやまちの姿はどうなっていくのだろうかと深く考えるようになりました。
入会当初の私は会社から参加させられているだけの感覚の中で、JCの活動に対して熱心ではありませんでした。しかし、参加するからには時間や会費を払っている以上、何かもち帰らないと会社に対しても家族に対しても申しわけないと思い、とりあえずは経験してみないと判からないから参加してみようと決意をしました。事業に参加するにつれ真摯に取り組むメンバーや先輩と触れ合う機会が増え、JCを通して「人と人」との関わりの大切さを知り、仕事では出会えない苦楽をともにする素晴らしい多くの仲間と出会うことができました。
JCと真摯に向き合うことができるようになったからこそ、今のJC運動は価値が求められていると感じています。昨今、社会には様々な団体が増え選択肢が「地域にはJCがある」から「JCもある」という認識へと変わっています。また、団体だけではなく多様な職種も増える中で、私たち一人ひとりには自由な選択肢があります。
時代の流れに対して社会の変化やニーズの移り変わりは早く、何事においても本質が伝わらないまま新しいものへと変化していきます。枚方JCは1962年に全国で221番目のLOMとして設立されてから62年の歴史があります。その歴史が今日まで脈々と継承されてきたのには、先輩諸氏が枚方JCで出会った仲間たちとともにJC運動を通して修練・奉仕・友情の三信条を培ってきたからこそであり、時代の流れに即したJC運動を展開し「われわれは、つねに団結の力により創造者としての勇気と実行力をもって地域社会の進歩発展に貢献せんとするものである」という高い志のもと、62年間の歳月を経て紡いでこられたからだと確信しています。
枚方JCの唯一無二の仲間とともにこれからも地域で活躍する笑顔溢れる人財へと成長し、明るい豊かな社会の実現へと繋げてまいります。
【笑顔で繋がる人財創り】
枚方JCは大阪府下28LOMの中でも会員数の多いLOMですが、入会から3年未満のメンバーが半数を占めており、JCの本質を知るメンバーが減少しています。20歳から入会でき40歳で卒業というシステムを受け入れながらも新しいメンバーを迎え入れることで新陳代謝を促し成長し続ける組織であると考えています。40歳になれば卒業という制度があるからこそ、メンバー同士がJCの本質をいかに共感できるかが重要だと感じています。拡大運動は単に人を増やすことが目的では無く、先輩諸氏より枚方JCが紡いできた地域に必要とされる人財を未来へと繋いでいく使命があります。過去5年からの卒業生および退会者などを平均すると約60名近くの方が枚方JCを離れ、拡大運動を止めてしまうと単純に3年でLOMが消滅する危機的状況となるため、数字を求める拡大目標を掲げるのでは課題解決には繋がっていきません。未来へと繋ぐ拡大運動をするには、相手がどのようなニーズを求めているか、社会的に何が求められているか、JCには今何が必要とされているかを探求し、時代とともに変化し常に追求することが大切だと感じています。また、JCの本質を共感できる人財創りと拡大運動をともにする仲間創りが大切であり、コロナ禍の期間を含めると4年近くJC運動の幅が狭まったことで、経験が少ないメンバーが多くなっているからこそ、ネガティブに捉えるのではなくJCの基礎知識を楽しく学び、見識を高めたJAYCEEとして成長することで、主体的に拡大運動ができる笑顔溢れる人財創りに対する環境整備の必要があります。
【大阪BC大会枚方大会開催に向けて】
大阪BC大会は、大阪府下28LOMから構成されている大阪BCが主催となり、北地域、泉州地域、河内地域、北河内地域ごとに開催される大会となっています。本年は北河内地域の枚方JCが主管LOMとなり大阪BCと連携し、各LOMと協働しJC運動の発信、地域の魅力を大阪全域へと伝播できる貴重な大会です。大阪BC大会が枚方の地で開催されるのは62年の歴史の中でも初めてのことで、誰も経験したことがないからこそ自由に構築できると考えています。自由に構築できるとはいえ、これまで開催された過去の大会理念や大会趣旨をしっかりと紐解く必要があります。大阪BC大会はイベントやまつりとは違い、大阪府下全域からJCメンバーが集うという点において、今まで行ってきたLOMの事業とは全く違います。まずは、JCが大阪BC大会を通じて、誰のために何のために大会を開催するのかという大会の趣旨をメンバー一人ひとりが理解することが重要です。大阪BC大会を枚方の地で開催することは、JC運動の波及が地域や社会にとって大きな発信源となり、地域の魅力を大阪府下28LOMに周知し効果的に各地へと伝播することが重要と考えています。枚方JCには多くの仲間がいるからこそ、知恵を出し合い、大阪BCや副主管LOMと手を取り合って、人と人が笑顔で繋がる最初で最高の大阪BC大会枚方大会の成功に向け邁進いたします。
【未来を切り拓く人財の創出】
子どもたちは無限の可能性を秘めています。忙しい毎日を送る私たち大人は子どもたちの夢に耳を傾けて聞いてあげているでしょうか。JC運動の一つである青少年育成を通して一緒に心躍らせ、明るい豊かな社会の創造を夢描き大人も子どももともに成長することが必要であると考えています。私たちが子どもの夢を叶えることは難しいかもしれません。しかし、夢をともに描き将来の選択肢を広げてあげることはできると考えています。私たちがすべきことは、子どもたちがやがて大人になり社会へと飛び立った後にも、地域で関わった大人たちとの思い出を振り返り、郷土愛に満ち帰属意識をもった社会を牽引できる人財育成の一助となることだと考えています。大人になればほとんどの人は仕事に就き、お金を稼ぎ、稼いだお金で生計をたて生活をしていく中で、多様化する社会に揉まれ子どものころに描いていた夢と違うと感じる瞬間にこそ、人生の軸を支えることができるのがJC運動の根幹だと考えています。私たちは青年経済人であり枚方JCには様々な職種のメンバーがいるからこそ、子どもたちの将来の夢に耳を傾け、夢を一緒に描き可能性を広げ、大人になるまでの間に子どもたちに疑似体験と成功体験ができる場を提供し、大人も子ども一緒に笑顔で賞賛しあえる環境を創出することが重要です。子どもたちが掲げる夢に大人が一緒に夢中になり挑戦すれば、必ずかけがえのない人生の宝物になります。子どもたちがやがて大人になる過程で掲げた夢が叶わなくても、きっと社会へ旅立つ時には人生の選択肢が増えた輝く個性が溢れる人財へと成長するでしょう。私たちと夢を創造した子どもたちが将来、地域のリーダーとして社会で活躍する日が必ず来ることを確信しています。
【心と心が躍り笑顔で紡ぐ姉妹交流】
枚方JCと彰化JCは姉妹締結から57年を迎え、今日にいたるまで言葉は通じずとも固い絆と友情で紡がれてきました。それは、JC運動の共通目的でもある恒久的世界平和の実現からなる友情が続いてきたからであると確信しています。しかし、私たちが住みくらす地域では遠い国の出来事のように感じるかもしれませんが、世界では今もなお、紛争や戦争が続いており、罪もなき市民が犠牲となり人と人が自由に交流することさえできません。私たちが57年続いてきた姉妹交流を出来ていることは、国境を越え人と人の心が通う交流が今日まで脈々と紡いでこられた歴史があるからだと感じています。そこには、異文化交流の重要性を学ぶ機会の中で、交流の魅力や意義をメンバー一人ひとりに浸透することが必要であると感じています。昨年より対面開催での交流が可能になり、本年も心と心を繋ぐ友好事業を通して、国際交流の経験が少ないメンバーにとっても、友情を育み相互理解を深めることで、枚方JCと彰化JCが唯一無二の姉妹関係である価値が高められ国際社会の発展へ寄与するものだと考えています。思想や文化、宗教、言語など相違があったとしても同じ志をもち共通の目的をもったJCで繋がっているからこそ恒久的世界平和への一歩となり、心と心が繋り相集う仲間と笑顔が溢れ出す姉妹交流を未来へと紡ぐ必要があります。
【連綿と紡ぐ友好関係】
枚方JCと中村JCは友好締結から52年を迎え、枚方市と四万十市(旧中村市)も本年で友好都市50周年を迎える友情と歴史が続いています。この相互の友情関係をより強固にするには先輩諸氏が脈々と紡いでこられたことに感謝と敬意を払い、さらなる友好関係を私たちが継承し地域を明るく照らす団体であり続ける必要があります。JCで開催される京都会議・ASPAC・サマーコンファレンス・全国大会・世界会議において、互いに積極的な参加を促し、メンバー間での交流の機会を増やすことが重要であると考えています。さらに、中村JC交流事業の際には多くのJCメンバー、シニアクラブの先輩諸氏と訪問し、過去から今日までに至る友好関係を知り世代を超えた交流が大切だと考えています。そこには、先輩諸氏より相互の友好関係にいたる今日までの歴史を私たちは学ぶことができ、中村JCとの交流の魅力や地域の特性、さらには相互が参画する市民まつりの歴史・伝統・文化を知ることができる意義ある交流が必要だと考えています。先輩諸氏より脈々と受け継がれてきた友好関係を多くのJCメンバーが語れるようになることで、より深い知識と熱い友情を途絶えることなく後世へと繋ぐ必要があります。
【枚方フェスティバル協議会の存在価値の創造】
枚方フェスティバル協議会は、2004年に枚方新まつり運営協議会から事業を開始し、2006年に現在の名称へと変更し、本年で20年目となります。枚方フェスティバル協議会は地域の文化・歴史・伝統の継承、郷土愛を育む機会の提供を目的としています。今日にいたるまで先輩諸氏が、地域で活躍される参画団体のためのプラットフォームとして連絡調整機関を担い、誇りあるまち枚方の発信を通して存在価値を示してこられました。しかし、コロナ禍で失われた期間があり、参画団体も昨年から4年ぶりの対面開催を実施した中で、担い手不足の問題や環境の変化による対応や運営の問題なども見えてきました。今、私たちが運営する枚方フェスティバル協議会は、運営方法や地域にとって誇りあるまち枚方を本当に発信できているのか、また、参画団体に対して有益である協議会なのかという是非を問われる重要な転換期と考えており、20年目となる節目に枚方の未来を見据えた価値ある枚方フェスティバル協議会へと方向性を示す必要があります。文化・歴史・伝統を継承し郷土愛の醸成を育むことを目指すにあたり、まずは、参画団体の現状を把握し持続可能な組織運営に向け地域にとって必要である協議会として価値を高めることが枚方JCとしての使命であると考えています。そこには、協議会として会議を通して参画団体の状況を知ることはもちろん必要ですが、会議だけで会う参画団体としての関わりに留まるのでは無く、私たちJAYCEEが積極的に参画団体の代表関係者と個人の関係性を密にすることで、歴史を知り、地域を知り、人を知ることができ、改めて協議会としての価値が高まると考えています。JCは単年度制であるが故に、外部での役職運営についても単年度で変わり運営の引継ぎに問題も少なからずあるかと感じますが、単年度制だからこそ多くの人財を輩出し参画団体や地域を知り、協議会の取組みを発信できると信じています。私たち一人ひとりが枚方フェスティバル協議会の存在価値を高め、誇りあるまち枚方へと繋げる必要があります。
【笑顔広がる枚方まつり】
夏の風物詩「枚方まつり」は枚方フェスティバル協議会の主催事業として、枚方JCが企画から運営まで担い市民に対して最大の運動発信の場であり、市民が地域の魅力や賑わいを感じ笑顔になれる場です。4年ぶりの対面開催を経て、様々な状況の変化を感じたこともあるのでは無いでしょうか。枚方JCが地域の魅力を最大限に発信し市民とともに安全に楽しめるまつりを実施するには、時代や気候、場所に応じた固定概念にとらわれず、枚方JCらしく手弁当でできる市民まつりを展開し波及できることが市民にとっても参画団体にとっても価値が高いものと考えています。例年に従った「枚方まつり」をやらなければならいないのではなく、JCメンバー一人ひとりに、何故、私たちが市民まつりを担っているのかという意図を明確に伝え浸透することが重要です。そのうえで、規模の大小にこだわらず市民まつりとして、歴史・伝統・文化といった守るべきものを継承し、多種多様な世代の考えを取り入れ柔軟に対応し変化ができる「枚方まつり」を実施できるタイミングと考えています。また、一つの課題である各種団体の高年齢化による担い手不足から、「まつり」で負担や不安を感じ辞退することなく私たちが企画・実施する「枚方まつり」を通して、市民まつりとしての姿を伝播することが大切だと考えます。枚方市も土地開発が進み他府県から移住された方や地域が増え、枚方の魅力をさらに強めるためには、枚方JCと産・学・官・民が一体になり変わらないために変わる「枚方まつり」を構築し、さらなる郷土愛を育み、帰属意識の醸成へと繋げる必要があります。
【JC運動の戦略的発信】
昨今、情報の共有や発信は様々なSNSが使用されており、携帯電話一つで簡単に情報の入手ができる社会です。しかし、簡単にできるが故に、送り手としては受取り手を考えず、作業意識が続いていると感じています。広報には、広く知らせるという点では間違えていないかもしれませんが、興味を抱かせなければ意味はありません。JC運動を発信できる重要な役割があるからこそ、世代、企業、ニーズにあった調査を行い、ターゲットごとに広報戦略を打ち立て広く発信することが重要だと考えています。また、JC運動だけを発信し自己満足の団体であり続けるのではなく、地域コミュニティとの連携や新しい手法を常に考え相互にとって有益な情報発信をすることで相乗効果を発揮できると確信しています。さらには、広報にとって最も大切なことは検証を常に図り、受取り手の反応を見て即座に次の一手を打つことが大切です。今、何が相手にとって意識的にマッチしているかを把握し、JC運動を効果的かつ迅速に発信できる広報の価値を高める必要があります。
【地域から信頼と負託を得られる厳格で健全な組織運営】
枚方JCは今日まで地域からの信頼と負託に応え続けてこられたのも、透明性の高い財務運営と厳格な組織運営を粛々と行ってきたからだと確信しています。時代の変化が目まぐるしく進む中で、私たちは一人ひとりの財源を大切に取り扱い本当に費用対効果が得られているのか、公益性の高いものなのかを妥協すること無く追及する必要があり、コンプライアンスにおいても時代に即した変化を受け入れ過去の慣例にとらわれるのでは無く柔軟な対応が必要です。組織運営においては時代の変化にある中で、変えてはいけない要素、取り入れる要素は精査改善を行い組織のガバナンスを保つ必要があります。また、規律に基づいた厳格な組織運営はもちろん必要ですが、人と人からなる組織だからこそ変化を受入れることができ、ともに成長していくプロセスこそがJAYCEEとして人財育成の礎となり、組織の継続的な価値を高め続けることが最も重要だと考えます。
【むすびに】
万緑おおい繁る中にも一輪の輝く花があるように、私たち一人ひとりにも輝く個性で溢れています。人間誰しも得意不得意があり、不得意な要素を取り上げて相手を否定するような人財になってならない。自分の属する組織を愛し、自分たちの活動に誇りをもち、笑顔溢れる人間を社会は期待しています。
「私たちなら笑顔溢れる明るい豊かな社会を目指すことができる」そう強く信じ、何事にも愚直に行動し、苦しい時も志を同じくする仲間とともに人生を笑顔で歩むことが最も重要なことだと考えます。まずは私たち一人ひとりがもつ個性や魅力を発揮し、誰かを否定するのではなく心から認め合うことで、人を笑顔で明るくすることができる人財へと昇華し、地域を牽引する青年経済人として自覚と覚悟をもって、未来の子どもたちへの道標となるリーダーとしてJC運動を通してともに邁進しましょう。